住所登録問題について

 11月1日に、はてなユーザー全員に「はてな住所登録、正しい情報登録キャンペーン」を告知するメールが送られたことから、各所で反応が拡大している。2005年以降もはてなの各サービスを利用しつづけるためには https://www.hatena.ne.jp/sslregister?mode=change にて住所を登録しなければならない。主な理由は、著作権侵害や名誉毀損など、規約違反および他者の権利侵害に対して「適切に」対処するためとのこと*1

ユーザー数が増えるに従い、利用規約に反して他人の権利を侵害するような内容の日記などを公開する方が散見されるようになったのも事実です。昨月からははてなフォトライフで複数の画像を掲載することができるようになりましたが、早速著作権を侵害されたという問い合わせがテレビ局などから寄せられているのが現状です。
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20041103#1099454615

 この表現から察するに、侵害行為に及んでいるのは一部のユーザーであることがうかがえる。些細なものまで含めれば多数になるとしても、現実にクレームなどの形で問題化するのは一部だと思って問題ないだろう。とすれば、一部の事実をもとに潜在的な可能性を全体に認め、運営側の迅速な対応とユーザーへの抑止効果を狙って住所等の登録を求めているということか。

 一部のユーザーの行為によって全体に義務が課されるというのは不公平な気もするが、他の類似サービスと比較した場合はもちろんのこと、義務と権利の関係の原則からしても、この点だけを取ってそれほど特別なものと言うことはできない。

 もちろんはてなは民間サービスなのだし、権利をあきらめれば住所登録は拒否可能な義務である。ただ、これまで個人情報を登録せずに利用できていたサービスだけに、新たな「対価」として個人情報の提供が求められるとなれば、躊躇したい気持ちも出てきてしまう。少なくとも、一つ選択の機会であることは間違いない。幸い12月31日*2まで現状のままサービスは提供されるようなので、約2ヶ月の猶予の間ゆっくり考えてみることにしよう。

 さて、僕ははてなに住所を登録したものかどうか。はてなから得ているメリット(これははてなが提供しているサービスの全てとは異なる)はどの程度のものか。またリスクはどの程度のものなのだろうか。僕がはてなで利用している/したことがあるサービスは主に3つ。

  1. アンテナ
  2. ダイアリー
  3. 人力検索

 それぞれ利用頻度は異なるし、他のサービスで代替できる可能性もある。一方ではてなでしか得られないメリットもある。また、サービスとして提供されてはいるが僕個人は供与を受けていない部分もあるだろう。それらをできる限り詳しく検討して判断したいと思う。

*1:http://www.hatena.ne.jp/info/address も参照。

*2:この日記を書いた後、猶予期間が1ヶ月間延長され、2005年1月末日までとされた。